【PCOS】不妊治療の独特の世界を語る
こんにちは!来週から激務のプロジェクトが決まって絶望の私です。
今回は、知ってる人しか知ることのない不妊治療について書きます。
私は今でこそ2人の子どもがいますが、1人目を妊娠するまではかなり不安定な中にいました。
子どもができない、子どもが産めない、という悩みは深く、どんなに悩んでいても気を遣わせてしまうので周囲には言えません。
そんな裏側について書きます。
- 結婚直後、ストレスによる極度の体調不良の末、PCOSと判明する
- PCOSという病気
- 不妊治療を本格化させる
- 2人出産するまでの不妊治療概要
- 不妊治療通院時の悩み
- 不妊治療の最大の課題は孤独感と自責傾向
- 海外の不妊治療の取り組み
- 最後に
結婚直後、ストレスによる極度の体調不良の末、PCOSと判明する
29歳で結婚した年、私は激務と夫との暮らしのストレスでホルモンバランスを崩し会社に行けない状態になっていました。
いわゆる更年期障害のような症状もあり、完全に体がおかしくなっていましたが、表立った症状ではなく男性ばかりの職場では深刻さがまったく伝わりませんでした。
- 生理が1年半止まる
- 定常的に体温が37度を超える日が1か月以上続く
- 定常的なめまい、貧血
- 異常な感情の起伏
- 不眠症(3日に1日疲れて4時間くらい意識が落ちる、毎晩体を休めるだけで頭がギンギンする)
文字で書いても「これくらい?」と思われそうですが、「ずっと微熱状態」というのはかなり体力を持ってかれ辛いですし、「寝れない」のは言わずもがなです。これは経験した人にしか分からないと思います。
職場に業務負荷を若干考慮頂きましたが(残業月45hくらいね)、生理は会社にいる間1年戻ることはありませんでした。
私が一生子どもが産めなくても、会社や上司は代わりに産んではくれません。
私はどうしても家族が欲しくて、生きがいだった仕事を手放し、不妊治療に集中することにしました。
PCOSという病気
退職後6カ月、治療の末念願の生理が来て発覚したのは排卵障害でした。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS:polycystic ovarian syndrome) | 島根大学医学部附属病院 産科婦人科
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは、卵巣で男性ホルモンがたくさん作られてしまうせいで、排卵しにくくなる疾患で、女性の20〜30人に1人の割合でみられます。排卵されない卵胞は卵巣にとどまるため、超音波検査でみると、たくさんの卵胞(嚢胞)を認めることから多嚢胞性卵巣と呼ばれます。症状として無月経や月経不順、にきび、多毛、肥満などが出現します。排卵しないため、不妊の原因になることもあります。
簡単に言うと、自力で排卵ができない症状です。
不妊治療を本格化させる
PCOSの処置として以下をフルコースで半年ほど受けました。
通院日数は月に7日~10日くらい。費用は保険適用外で毎月7~9万くらいです。
人口受精がダメだと、対外受精となり費用は1桁上がります。
普通に働いていると月に7日はさすがに大変なので、自己注射(自分で家で打つ)での対応も可能で、その場合通院は4~5日/月になります。
私は夜遅くまでやっている産婦人科に通い、通院の日は早く出社・帰宅し通っていました。
2人出産するまでの不妊治療概要
【1人目】30歳
- 最初の6か月はタイミング療法
- 7か月目に人工授精に切り替え、1回目で妊娠
- 生理来るまでの治療含めて、治療1年ちょっと、計60万ほど
【2人目】32歳
- 出産後の生理開始後から、人工授精、1回目で妊娠
- 治療3カ月ほど、計15万ほど
もともと小さい子宮筋腫があったため、自然妊娠は難しかったですが、幸い人口受精ですぐ妊娠できました。
卵がダメでも、ベッドは健康であったのがせめてもの救いです。
不妊治療通院時の悩み
不妊治療している先生は男性も多く、基本的にデリケートな患者の扱いが雑です。(笑)
- 事例を良く知ってるせいか、不吉なリスクやNGワード連呼(大病院の医師、部長さんも)
- 触診の膣内確認はかなり異物感があり、痛い。(女医はやはり丁寧にやる傾向がある)
- 若い先生は特に↑が下手、ただでさえ毎日触診があるのに、診察後2日くらい痛い
- 筋肉注射はもともと痛いので、下手な看護師にあたると泣ける(しかも4日くらい連日・・・)
私は、愛知県で一番不妊治療が進んでいる病院の、元不妊治療センター長の個人クリニックに通院しており、若干デリカシーがありませんが腕が確かなので色々我慢していました。(笑)
そこも2人目を妊娠した直後に閉院されてしまったので、本当に滑り込みセーフでした。
不妊治療の最大の課題は孤独感と自責傾向
私は仕事を辞めて不妊治療をしていたため、一人で考え込む時間がたくさんできてしまいました。
青く反応しない検査薬を見るたびに、「子供ができない」=「人として欠陥品」と言われてるような気がして、夢に検査薬が何度も出てきました。
※後で冷静に考えると、当時まだ体調不良も残ってたので情緒不安定もあったかもしれません。
不妊治療&無職の組み合わせは最悪です。
不妊治療にはお金がかかるし、妊娠は待つ期間が長いため、趣味やバイトや他に打ち込むものと並行し、気を紛らわせながら進めた方が良いです。
女性がストレスで生理が止まる→退職→不妊治療 の流れはよくある事なので、不妊治療では結構あるあるです。
男性はぜひ、土日は外に連れ出してみたり、奥様が泣き言をこぼしてしまったら「辛かったね」と頭をなでて流してあげてほしいです。
女性のメンタルの不安定さは、一時的なものですし他人が解決できることでもないと思います。
彼女が自力でいつかゆっくり克服できるよう、そっと痛みを緩和させてあげて欲しいです。それだけでいいです。
www.huffingtonpost.jp
海外の不妊治療の取り組み
www.nhk.or.jp
フランスでは、不妊の症状は「疾病」扱いで、条件を満たせば無料で治療が受けられます。
少子化が深刻な問題となっている日本でも、そろそろ真剣に考えてほしいです。
最後に
本当は未来に向けたメッセージを書きたかったのですが、過去を振り返ると辛くて、「頑張れ」の趣旨を書く気になりませんでした。
dual.nikkei.co.jp
なぜ、当時こんなにも人生の中の1つのファクタにこだわり思いつめたたのか、その原因は今でもはっきりしません。
ただ、分かるのは、当事者には周りから映る以上に深刻に捉える傾向のある問題である、ということです。
みなさんの周囲に、悩んでいる方、いませんか?
ささいな「孫はまだ?」どころか、「うち、子供できたの~!」仲間の幸せなイベントですら、顔を曇らせる人がいるかもしれません。
その時は、この記事のことを思い出して頂けると幸いです。